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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

つれづれつらつら。

お店で編み物などをして過ごす。画家や書家の個展や、テーマを決めて集めた展覧会を、以前よく開催した。私は先日亡くなった書家の渡辺寒鴎さんの作品を生で拝見したことがない、勿論ご本人にお会いしたこともない、ということをマスターの大学の先輩且つ(たぶん)最年少での現代の名工である常連さんに話したら、手持ちの作品についてエピソードなどを話して下さった。他の書家についても伺う。

お店で展覧会を催していた時は私は学生で、開催に際してタッチすることがなかった。大学を卒業して、マスターにくっついて個展や展覧会に行って「ジョージのマスターの娘さんのsaporterK」という長い身分呼称になっていったけど、哀しい哉、1人で訪ねると私が誰かわからないなんてことも度々あった。つまりマスターが隣に立っていないと、私が誰だか判別できないということ。克てて加えて、私はお店から離れると「どちらさまでしたっけ」とよく言われる。お店の顔にもなれず、マスターなしにも存在が曖昧であるということ。(自称)2代目の辛さはここにある。お店に関してはマスターと常に比較され、2代目は先代を追い越せないという考えもあるだろうし、女子なのでそうは言ってもいつかいなくなると思われているのかもしれないし(これは私の希望的観測)、私の存在は実はあやふやである。いつか私のコーヒーのほうが好き、と言われる日が来るために、日々精進。

なんてことを感じた日。将来代替わりしてもらえたとして、私がちまちま編み物をしていたらニットカフェに、本を読んでいたらブックカフェになるんだろうか。でもマスターは「うちはカフェじゃなくて、コーヒーショップ又は喫茶店」と主張する。日本語ではそれぞれで雰囲気の違いまでも表している。確かに、うちはカフェとは少し違う。昔雑誌の取材で、発売されたのを見て「カフェって書いてある!」と激怒し暫くぷりぷりしていたマスターである。言葉は言霊。その辺の細かいこだわりは、納得。マスターとの違いを感じつつ、共通点も感じつつ、日々つれづれ。
by saporterK | 2009-02-08 23:47