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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

留守番

まだ本調子ではなかったので、留守番。
読みさしの本を1冊読み終える。お茶の時間、テレビでドラマ「Sex and the City」を観た。カレシにポストイットのメモで別れを告げられたキャリーがその1日の憂さを晴らそうと躍起になっている。ある朝目覚めて、自分のパソコンのモニターにポストイットが1枚貼られて「ごめん、僕には無理だ。恨まないで」なんてメモがあったらどうだろう。幸か不幸かそんな経験は親と同居している時点であり得ないんだけど、代わりに留守電やメールで送られてきた上に返信を拒否られていたら。

たぶん私は昔の自分がしたように、哀しみや怒りを抑圧して何事もなかったように振る舞おうとするかもしれない。で、長い時間をかけて抑圧から小出し小出しにして、癒えるまでじっと繭や殻に籠ってやりすごすのだ。そういう自己防衛策は、人生の中であまり変化しないことだと思う。いったん心の押し入れに詰め込んで、処理できる時に少しでも処理して、だんだんと片付けていく。押し込まれている間には、発酵もして熟成もして変化するだろうけれど、長い時間をかければなんとかなってきた。さてそれが好きだ嫌いだの感情に於いて同じかどうかは判らないけれど(良き助言者曰く「違う」そうだが)。理性や自制を普段から聞かせている人間ほど弾けた時はこわいという。

ドラマは得てしてあらゆるものを誇張して映し出すけれど、恋愛、友情、仕事、生活その他諸々、古今東西人間が悩み迷い考え選択するテーマが書かれていて、観た人間がそこから何かを受け止め、きっかけになって先に進む(あるいは停滞か退行か抵抗か)影響力がある。現在の私と、ポストイットでの別れの宣告は縁がないけれど、40分ほどのドラマの中で印象的だったのは「理由もなく物事は起きないし、そこから何かしら学ぶことがある」と言っていたこと。無理して学ぶ必要はないけれど、1つの経験をする前と後とで自分が変わる(成長でも退行でも、停滞はないはず)ことは判る。物事が起きる為にはそうなる選択を自分がしてきたのだから、それも判る。そうであると「気付く」のが重要なんだと思う。ということを思いながらテレビを消す。
by saporterK | 2006-03-08 16:20