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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

見つからない。

私の部屋はそれほど広くないし、それほど本も多くない。
でも時々、それも「あの一言を」探したい本が見つからない場合がある。私は返却されないのがコワいので、信頼している人にしか本は貸さない。本当はお店に置いて、自分も読みたいし、人にも勧めたい本はたくさんあるけれど、以前お店で本を黙って持っていかれてしまった苦い経験があるので、取られても買い直せるとか諦めがつく物しか置いていない。

ちなみに取られた本は、俳句集。発行部数が少ないので入手困難。地元の、私から見たら「近所のおじさん」なのだけど、俳句の世界では有名だった方の、追悼句集。蔵書票を貼らなかったせいか、マスターが「たくさんの人に見て貰いたい」からリーフレットの机に置いたせいか、いずれにせよ値段が書いてある本を黙って持っていく神経がない私達は一同「信じられない」を連呼するだけ。俳句を判らない私でも「好きだな」と思う句がちりばめられた本。福田甲子雄「師の掌」。持ってちゃった人の見当はついているけど、お願いだから返して下さい。

家の中にも、うんと小さくて良いから「図書室」が欲しい。家族全員が所蔵している本をそこに集めるのだ。ひとりひとりの棚にナンバリングして収める。勿論貸し出し中に必要が出たら返して、また借りる。家族といえど興味の対象は違うだろうから、そうやって知識の補完を協力し合うのだ。今みたいに自分の部屋と居間と母屋の棚に本を分散させているのがそもそもの間違いなのだけど、なかなか「売っても未練はない」本は増えず「絶対また読み返す」と信じている(だから減らない)物が増える。

あの本が見つからない、と言ってウロウロする私が、母上にとっては相当のストレスなのか、今は本を読んでいる姿を見るだけで嫌な顔をしてしまいには怒りだしている。
by saporterK | 2006-05-08 11:00