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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

嵐の夜に。

出稼ぎが終わってお店に戻る。空腹でふらふら。お腹空いたと言おうとするのを遮られ、母上に「とうとう、(私の)学生時代からの炊飯器が壊れたわよ」(=今、自宅の炊飯器で炊いてるとこ)
お店でお米を炊く時、私が使っていた小さいおもちゃみたいな三合炊き炊飯器を便利に使っていたのだが、やはり10年という電化製品にありがちな耐用年数を経過して、九十九神が憑く前に成仏してしまった。なむなむ。。。

空腹を抱えていたら、お腹が唸る。と思ったら空も唸る。雷だ。慌てて家に戻ってパソコンの線を抜き、天窓を閉めてお店に戻る。その間も次第に近づく雷に「友達より背が高いKに雷は落ちる」と幼少期から母上に脅され続けた呪文が蘇って肝を冷やす。遥か遠い雷が、好き好んで私に落ちてくるわけはないのだが、子供の頃の呪詛は今でも有効なのだ。そう文句を言ったら、当の母上は笑っていた。

出稼ぎ先のSさんから雑誌AERAを戴く。マスターに、とのことだが、目次には「ビール」の文字が。高級オーディオ機器はマスターで、ビールは私ということか。ビールの記事を読んでいたら、目の前に茹でた枝豆と肉じゃが。母上が「ざまみろ」みたいな顔をしている。ビールは?「ありません。」

高級ビールについて読んで、食事。まだ仕事中。プチアル中じゃあるまいし、でも頭の中で「ビール、ビール」と連呼してしまう。応えるように雷が激しくなり、突然激しい風雨。夕立らしい夕立。嵐になってしまい、びしょぬれになってユリアンを救出し、入り口マットを回収。8時すぎ。「停電になったら困るね。でもパソコンはもう安全」などと言って間もなく本当に停電。ぎゃっ。

今日はもうお客さんは来ないかもね、と早々に片付けと掃除をして、あろうことか私は9時を回った頃ビールを飲んだ。心地よく本を読んでいたらぱたりと風雨がやみ、雷だけ遠くで続く。まだユリアンは意識がこちら側に戻っていないのか腰砕けのまま。マスターも「看板は入れるからユリアンを連れて帰れ」と帰りモードに入りかける。

どうしようかな、と逡巡している内に、お客さん。1時間程度とはいえあんな天気になった後にありがたい。すると今度は私の友達が「会社のパソコンが1台焦げた」と言いながら来店。他にもお客さん。すでにビールで顔を少し赤らめているが、どうにもならない。誰も、何も言わないでいてくれたけど。
by saporterK | 2006-08-12 00:42