人気ブログランキング | 話題のタグを見る

南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

コーヒー。

「コーヒーのいれ方教えます」というポップがカウンターに置いてある他所のお店。習う人いるのかなぁ、だって店内でしょ、他にお客さんいたら無理じゃない?カウンターの中しか場所ないよね?それって衛生的にどうなの?と思いながら眺めていたら、いるんですね、習う人。そうか、成立してるんだ。現場を押さえた時は、面白半分で眺めてしまった。カウンターの中ではなく、席で教えている様子を窺いながら、そういえば、私が初めてコーヒーのいれ方を教わったのって、いつだったっけ?と思い出そうとしていた。
よく「技術は見て盗め」と言われるが、何だかそんな感じだったような気がする。マスターが手荒れでネルを絞れなくて代わったとか、手が離せない時にとりあえずお湯だけ湧かすとかそんなことを繰り返して、自分用にいれたコーヒーをマスターも飲んで「うん、まぁこんなもんじゃない?」しか言ってくれなくて、マスターがいれる行程を、時間を計りながら眺めていただけのはず。使う水を変えた時「お湯は何度で、豆は何グラムに変えたから」だけ指示されて、私がいれたのを試飲して、黙っているだけ。ダメ出しが無いから自信を持つというより、不安で「教えてよ」と言っても「教えることがない」ばかり。習うより慣れろ、か。

手取り足取り習ったことがないので、習ってみようかと思ったが、私はネルドリップ、あちらはペーパードリップ。頭も体もネルドリップの方法がしみている。しかもそれ以外でいれたことがない。ショロショロと慣れない手付きでお湯を注ぐ音が横から聞こえてきて、やっぱり習うのはよしておこうと思った。誰かの基準を知って、自分で体得した術の軸をブラすこともなかろう、ということに気付いたから。違いを見つけて不安を増やして、今の私のコーヒーの味がブレても嫌だし。これはプライドか?と思ったが、ただ不安要素を増やしたくないだけという、いつも通りの答えしか見つからなかった。何より、美味しいのが先。
by saporterK | 2008-05-16 00:30