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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

福の神〜。

兄上が、高校時代に「ハーフパンツにして」と突然ジャージを手渡してきて「できません」と言えない性格上、必死に隠し縫いをしたのがほつれることなくまだ現役だった。開店前に立ち寄った兄上が、ホッケー時代と変わらず「Tシャツにジャージ」姿で漫画を読んでいた。物持ちの良いことで定評のある兄上だが、よくまぁ手縫いでチマチマしたのが解けないもんだと、約15年前の自分の裁縫にも驚いた。

そんな「いかにも休日の服装」な兄上が帰宅直後、出稼ぎ先のHさんと、私の時間計りの師匠Sさんが来店。あれこれあれこれ話をしている間お客さんがなくて、漬物石みたいに座って話し込んでいた。途中で再び兄上がやってきたが「恥じらいの民族」なので、1人で立ち寄る場合は、お客さんの時はフロアには出てこない。私のように、行動療法として自らを実験台にして、人目に晒されることで自分の見た目コンプレックスへの認識を変える精神を養うことは、するつもりもないらしい。人当たりが良くて評判は悪くないのに、人当たりがイマイチで評判もイマイチな私より内気になることが時折見られて、妹としては少々みじみじ。尤もジャージ姿で厨房からヌッと出てこられても困るけど。

さて「気をつけてねぇ」とお見送りする余裕まであって、商売としてはこんな暇で良いのだろうかと危惧したが、洗い物を終えて自分達のお昼ご飯を作ったところからが少々忙しくなった。自分の手がディッシャーにでもなったように何個もアイスクリームを掬いながら、本日の福の神はH氏とS先生だったなぁ、としみじみ。天の裁量というものがあるなら、話せる時間を空けてくれたのは何かのご褒美だったのだ。感謝しよう。な〜む〜。
by saporterK | 2008-07-06 23:49