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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

脳のち身体。

ぼさーっとした頭で出稼ぎ先に到着して、打ち合せに出たら「メロスは○○した。何?」と話をふられた。え、え、メロス、友達を拉致されて(この時点ですでに記憶は間違っていたが。)「こやつの命が惜しくば日没までに戻って来い、ぬははははぁ〜」の話だよな。その冒頭部分?それって「吾が輩は猫である。名はまだない」とか「こんな夢を見た。」と同じ、最初の1行でしょ。何だっけなー。最初の場面が何か思い出せない。頭の中には磔にされたキリストが出てくるし、早乙女ケイ子風な絵でメロスが怒りつつ滝の涙を流しているような図まで出てるけど、冒頭部分は出てきません。
その後「憤慨か激怒か」の2択まで絞り込まれ、音読した「聞こえの良さから、激怒」と答えた。その後「人間失格」と「斜陽」がごっちゃになり、小鳥のようにスープを召し上がるお母様とか、「姉さん、僕は貴族です」の弟が出てくるのがどっちか間違えたり、太宰ファンにぶん殴られそうな教養の無さを示す惨憺たる結果となった。

言い訳をするならば、いつだったか「探して見つかるものは記憶に固執しない」でいようと思って以来、「あぁ、それって太宰の走れメロスの冒頭ね」程度わかっていれば良いや、なレベルに落ちた。しかも、小学校か中学校の教科書で「友達の命を賭けに使う非道なメロス」という浅い読解力で植え付けた印象以来、1度も読み直さないでいた本の「冒頭部分なんか知るか」と開き直った次第である。でもおかげさまで、今後メロスの冒頭部分を訊かれたら、即答できるくらいになった。これは教養であろうか、雑学であろうか。ぬぬぬ。

番組では非常事態が発生して、脳がくしゃくしゃになる。へとへとになって制作部に戻り、頼まれてNアナの肩揉みをした。左肩甲骨にドングリくらいの凝りを見つけ、解して流す。私は汗を流す。芸(?)は身を助く。ゲストさんのお土産の茹で落花生、笹一酒造の酒まん、竜王のコンビビアリテのシフォンケーキ(の切れ端というか、成形時に膨らんだところをキレイにカットした部分)の現物支給つき。頼まれて、自分の手持ちのノウハウが役立てるのは嬉しい。脳を使った後に流す汗は気持ちが良い。くしゃくしゃした脳が通常に戻った。

帰りに「チームバチスタの栄光」コミック版と「パティスリーMON」購入。ふと「太宰治・全作品」が1冊に収まった愛蔵版を買って帰ろうかと思った。しかしその本は、字がおそろしく小さい上に紙が粗悪だがおそろしく安い、という究極の選択の状況に陥るタイプ。大活字版は、フォントと行間と字間の取り方が変なので読みにくい。安さを取るか見やすさを取るか。で、決めかね買うのは延期。……誰か(ごにょごにょ)。
by saporterK | 2008-11-21 00:34