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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

引きずられないように…。

出稼ぎで収録。だからなぜこの漢字そう読むの?だからなぜこの言葉そういうイントネーションなの?で、それで撮り直さないんですか?え、いいの?今日もD担当を間に挟んで、性格上「そこんとこキッチリしましょうや」なTD担当さんと私とで、ビミョーな空気とインカムで「は?何?」を発するもそのまま進行。だからなぜ。ひとつのコーナーを担当したKさんが収録中スタジオでキュー出しをして、後で行き会って「初めてあの収録見たよ」と仰るので「ねぇ、あのゆる〜い感じ…」だけ答えた。そんな上から目線で物を言うほどになっちゃいましたよ。何年か前、収録で隣に座ったKさんが、私の声があまりに小さくて、インカムの位置を、まるで子供のかぶった帽子の位置を直すみたいに、ガッと口元まで直したことがあった。すごくにこやかなまま。それが今では、もう。ねぇ。

さて、私はわりと人の言動の調子に引きずられることがあるので、帰りに本屋へ立ち寄る。人に「だからなぜ」と言っている間に、自分が逆の立場になっていることだってあるかもしれないのだ。女子中学生2名が、大声で雑誌を見ながら話している。占いページを読んで「…すれば、恋がセイジュするでしょう、だってー。ぎゃははははっ」と言うのが聞こえた。たぶん店中の全員が「?」になっただろう。私も一寸固まった。「セイジュ?恋が…ジョウジュ?」成就。すぐ近くにいたので、腹筋ピリピリするほど堪え、顎の筋肉が盛り上がるくらい噛みしめていました。笑っちゃいけない。でも訂正してあげられなかった。すべきだった。猫背で内股歩きで大声で野卑な言葉遣いで恥知らずなのは、思春期ゆえ。漢字は読めたけど私も当時は似たり寄ったりでした。人を笑う前に、今の自分は大丈夫だろうかと内省しました。今でも野卑な言葉を使っていないか。やさぐれた空気醸していないか。生放送中以外で「しゃべんな、オラァ!」とか言ってないか。

腹筋はぷるぷる笑いを我慢しながら、それでも自分は人のこと言って良いのか、ずっと問うていました。だからではないけど、幸田文「しつけ帖」林望「旬菜膳語」を購入。リンボウ先生の今回の本に色々挙げられている本の引用文などを読みながら、何となく読めるか確認してしまった。ついでにMCの子ならどう読むのだろうかとも推測して再び腹筋をふるわせてしまいました。すいません、こんなイヤなことして。でも、おかげで言葉の大切さ、話し方や声の大きさの心地よい範囲、歩いたり座る姿勢について改めて確認をした良い機会でした。若人よ、たくさん恥をかいて、大人になれ。
by saporterK | 2009-03-18 01:04