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南アルプス市のジャズ喫茶より日々の出来事を。

by ex-saporterK

料理を考える。

レストランウェディングではなく、ホテルでの結婚披露宴のこと。山梨の場合、得てして料理は画一的で、食べた瞬間、何を食べたのか忘れてしまうような物が多い。そして、未だ「テーマのない」支離滅裂メニューが延々と続く。招待客の中に年齢差が生まれるのは仕方ないことだが、和洋中を雑多に出す理由にしてはいけないと思うのだ。ホテルの宴会料理担当者はいい加減その考えを改めるべきである。

今日の料理は、寿司や子持ち昆布以外は私でも作ろうと思えば作れそうな印象(人数は別としても)。そして、レアステーキの断面を見ながら「この大人数料理に、レアを口にして大丈夫かどうか」逡巡。頭の中では「勿体ないオバケ」が激しくタンゴを踊る勢い。結局手もつけずに「さげて下さい」が数品あった。激しい罪悪感よりも、自らの胃を守る為である。

披露宴の食事内容に関しては、友達のせいではない。プランの中に組み込まれたものなれば、イヤでも選択せざるを得ないから。昨今レストランウェディングや小規模な披露宴が選ばれる理由はここにある。せっかくの食事だから。量より質でもてなしたい人が増えたから。職業柄、大勢を招待せねばならない場合は、こうしてホテルや旅館の「お仕着せ」料理でなくては対応できない。難しいところだ。出稼ぎ先で異動したY嬢の披露宴料理は「何から何までこちらが決める」ものだったという。つまり、新郎なり新婦なりその関係者に料理全般に通ずる人がいなくては話にならない。せめてイメージは構築しておかなくてはならない。これもまた一般的には難しいかもしれない。私は面白くてワクワクしてくる。

大規模な披露宴でありがちなのは料理の他に、卑猥な余興、「本日は誠におめでとうございます」以外一切祝福の言葉のないスピーチ、値踏みする視線、特に新婦の友人側テーブルを「飲み屋のねーちゃん」扱いする酔漢。そういうものはこの世から排除すべきである。

それでも、子供の頃からの友達が、新しい社会を築き、ゲーテ曰く「全ての文化のはじまりである結婚生活」を歩もうとする姿を見送り、幸せを願った日。
by saporterK | 2006-11-26 22:58